いきなりですが抑毛剤ってご存知ですか?
ムダ毛の自己処理方法の中では、イマイチ知名度は低いのですが、その理由は即効性がないからのようです。
ムダ毛は今すぐにでも処理したいので、カミソリや毛抜きの方が一般的だと思います。
この抑毛剤ですが、即効性がないと聞くと使うのを考えてしまいますよね。
でも、実は肌に優しい処理方法なうえに美容成分もたっぷり入っているんです。
抑毛剤ってどんなもの?
まず、抑毛とは毛の発育を抑えて遅くすることです。
また、抑毛剤とは、毛の発育を抑え遅くするローションやジェルのことを言います。
先にも書きましたが抑毛剤には「即効性」はありません。
そして効果があらわれるのに「個人差」が大きいのです。
抑毛剤は、「脱毛剤・除毛剤」よりも「美容液」に近いと思われると良いでしょう。
抑毛剤の種類
抑毛剤は大きく分けてローションタイプとジェルタイプが主流です。
抑毛剤の特徴
- 肌に優しい
- 天然素材
- 美容成分
- 持続すると毛が薄くなったり生えてくるのが遅くなったりする
- 顔やデリケート部分でも、子どもでも使える
などがあります。
では問題の「即効性がない」ってことですが、早い人で使用開始から10日前後で毛が薄くなったと感じた方から、遅い人だと3か月使い続けたあたりから感じ始めたというように、他のムダ毛処理方法と違って実行したことがすぐに現れません。
しかも個人差が大きいときています。
これほどゆっくり、じんわり効くタイプなので肌には優しいです。
抑毛剤はホントに肌に優しいの?
除毛クリームは強い薬剤が入っていますし、脱毛ワックスにしても肌を引っ張ります。
毛抜きや家庭用脱毛器は毛穴を痛めることがありますし、カミソリで剃るのは肌の表面を削っていることになります。
抑毛剤にも肌に良からぬものが入ってるから、毛が育たなくなるんじゃないの?
と思われることでしょう。
気になるところですよね。
一体どんな成分が入っているのでしょうか?
抑毛剤にはこんな成分が入っています
エフロルニチン
エフロルニチンとはフランスの製薬会社が開発した成分です。
当初は腫瘍の治療薬とされていましたが、有効性が低かったんですね。
ところが、睡眠病の治療に効果的であることと、体毛の成長を遅らせることが分かったのです。
○そのエフロルニチンが含まれている顔用抑毛クリームがあります。
イソフラボン(鍵はフラボステロン)
少しややこしくなりますが、「ポリフェノール」という言葉、良く耳にするようになりましたね。
改めて説明しますと、強い抗酸化作用を持ち、(ほとんどの)植物に含まれる色素や苦味や辛味の成分のことをポリフェノールといいます。
細胞の生成や活性化を助けます。
ポリフェノールの中では、構造の違いごとに分類がされています。
その分類の一つが「フラボノイド」です。
活性酸素や過酸化脂質を抑制したり、抗菌作用などの働きをします。
フラボノイドの中にも種類があり、その一つがイソフラボンです。
となります。
例えるなら、
のような感じです。
大豆の胚芽部分に多く含まれるイソフラボンなのですが、このイソフラボンは女性ホルモンのひとつ「エストロゲン」と構造が似ているだけでなく、同じような働きもすると言われています。
どのような働きかというと、美白や皮脂抑制などです。
そのイソフラボンが配合されている“抑毛剤”ですが、
抑毛の鍵はイソフラボンの中のフラボステロンという成分が握っています。
イソフラボンの約70%を占めると言われているフラボステロンは、「男性ホルモンの働きを抑制する効果」があると言われています。
と、ここでちょっと脱線しますが、女性ホルモンと男性ホルモンが毛に与える影響について知っておくと理解しやすいのでご説明しますね。
え?女性でも男性ホルモン?
男性にあるホルモンが「男性ホルモン」で、女性にあるホルモンが「女性ホルモン」と思っていませんか?
そもそも普通に使っている「ホルモン」って一体なんでしょう?
パッと焼肉の臓物系が浮かんだりしますが、男性だの女性だのって・・・??
焼肉のホルモンとはちょっと違うようです。
ホルモンの語源は、ギリシャ語で「刺激するもの」「興奮させるもの」を意味する言葉「ホルマオ」から来ているそうです。
『特定の臓器(内分泌腺)で作られた化学物質が、血流で離れた場所に運ばれ、少量で特異的な作用を発揮するもの』
と定義されます(古典的ホルモンの定義)。
少しの量でも物凄く強烈に影響力があるのが「ホルモン」ってことですね。
で、そのホルモンですが、男女の「体つき」や「らしさ」を司っています。
どこで作られるかと言うと、男性は、副腎・睾丸女性は卵巣です。
あれ?作られる場所が男女で違うよ。持ってない臓器あるし。
やっぱ女性のカラダからは男性ホルモンは作れないんじゃない?
と思ってしまいますよね?
ところがですよ、女性は卵巣で男性ホルモンも作るのです。
男性の女性ホルモンは?と言うと、
コレステロールから弱男性ホルモンと呼ばれるものが出来ます。
そこから女性ホルモンが作られるのです。
健康な男性の男性ホルモンの分泌量は、1日およそ7mgといわれ、
女性の女性ホルモンの分泌量は、一生でおよそティースプーン1杯分(約5mg)と言われています。
一生に「たったスプーン1杯分」の女性ホルモンですよ!!
なんだか衝撃ではありませんか?
そして女性のカラダで作られる男性ホルモンは男性のおよそ10分の1。
一日およそ0.7mgといったところです。
一方男性のカラダで作られる女性ホルモンは女性のおよそ半分。
ですので、一生でティースプーン半分(2.5mg)くらいの量を作っているのです。
男女ともにホルモンのバランスがとても重要なんです。
少しでもバランスを崩したら、女性は「男性化」してしまうかも!?
そうなんです。
ムダ毛が濃くて悩んでいる女性は、ストレスや過剰なダイエット、食生活の乱れ、加齢などでホルモンバランスを崩し、男性ホルモンが多くなったことでムダ毛が目立っている可能性もあるのです。
余談ですが、ガンのホルモン治療で体毛が濃くなってしまって悩んでいるとある芸能人が語っていました。
妊婦さんなどが急に体毛が濃くなったと聞くこともあります。
夜更かしが続いたり、徹夜したりしたりすると、毛が伸びるのが早いと感じたことありませんか?
まさにこういうことなんですね。
男性ホルモンは、毛の奥底にある毛乳頭というところを刺激します。
刺激されると、毛母細胞という体毛を太くて長くするところを増やします。
そうなると、ムダ毛はどんどん発生してぐんぐん伸びていくのです。
抑毛剤は美容成分もたっぷり
ここで話を“抑毛剤”に戻しますが、
フラボステロンはこの男性ホルモンの働きを抑制するのです。
女性ホルモンはムダ毛の発生・育成を抑制する働きがありますからね。
そして、イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをするのですから、ムダ毛の発生、育成を抑制します。
そんな働きをするイソフラボンを配合した、全身(顔もカラダも)使用できる商品が出ています。
以上の2つの成分が代表的なところです。
他に、
- ザクロエキス→女性ホルモンに似た働きをする
- パイナップル酵素のブロメライン→毛のもとになるタンパク質の生成を抑える作用
- プラセンタ→男性ホルモンを抑える作用
- ヒオウギエキス→抗炎症・美白などの作用
で配合されていたりします。
様々な美容成分を配合している抑毛剤が“美容液に近い”と言った意味が分かったでしょうか?
抑毛剤は単独ではなく、他のムダ毛処理方法と一緒に使うことでより効果を実感することができます。